1章4節350-4
柳田は盆棚が常設化して仏壇になったと考えており(『「四一 常設の魂棚」1946年『先祖の話』⑮76~77)、ここでは仏壇に日々の花を供えるのも「近代」のものとしている。その背景に、いつでも花が手に入るようになった流通の発達、および新種の増加を想定しているが、そのために花を手に入れて捧げることに対する特別な心持ちは失われたのである。なお仏壇の起源は諸説あるが、17世紀の寺請制度によって檀家となった家が、位牌を置く棚を設けたことに端を発するとされる(森隆男『住居空間の祭祀と儀礼』岩田書院、1996年)。[加藤]